コベルコビジネスサポート パーソネルTopics201811月)

 

法令改正などから取り上げてご案内します。

年末調整のしかたが変わりました(配偶者(特別)控除)

平成30年分の年末調整において、配偶者控除と配偶者特別控除のしかたが変わりました。改正後の内容を正しく理解しましょう。

次の2点が変更になりました

■ 「配偶者」だけでなく、「従業員」の所得金額の確認も必要になりました。

■ 配偶者控除と配偶者特別控除の「控除額」が変わりました。

「配偶者」だけでなく「従業員」の所得金額も確認しましょう

■ 平成30年から、配偶者控除および配偶者特別控除の控除額の判断には、「配偶者」だけでなく、「従業員」の合計所得金額(見積額)の確認も必要です。

・ 「従業員」と「配偶者」それぞれの合計所得金額は、「給与所得者の配偶者特別控除等申告書」の「合計所得金額の見積額の計算表」欄で算出します。

・ 「合計所得金額」は、給与収入や年金収入などそれぞれの「収入金額」から、必要経費などを控除した「所得金額」を合計したものです。

■ 合計所得金額に含める主な所得の種類と所得金額の算出方法は、次のとおりです。

@ 給与所得

収入金額(A)

所得金額

給料、
賞与や
賃金の
収入金額

65999

0

 651千円 以上

(A)65万円 の金額

1619千円 以上

969千円

162  円 以上

97万円

1622千円 以上

972千円

1624千円 以上

974千円

1628千円 以上

(A)÷4()(B)(B)×2.4 の金額

180    円 以上

(A)÷4()(B)(B)×2.818万円 の金額

360    円 以上

(A)÷4()(B)(B)×3.254万円 の金額

660    円 以上

(A)×90%−120万円 の金額

1千万  円 以上

(A)220万円 の金額

※ 千円未満切捨て

A 事業所得

収入金額(A)

所得金額

農林水産業、製造業、卸売業、小売業、金融業などのサービス業や対価を得て継続的に行う事業の総収入金額

(A)−必要経費

 

B 雑所得・・・次の (1)の所得金額 + (2)の所得金額

(1)公的年金等に係る雑所得

収入金額(A)

控除額(B)

所得金額

国民年金、厚生年金、共済年金などの公的年金等

年齢

65

以上

330万円

120万円

(A)(B)

3301円 以上

(A)×25%+375千円

4101円 以上

(A)×15%+785千円

7701円 以上

(A)×5%+1555千円

年齢

65

未満

130万円

70万円

1301円 以上

(A)×25%+375千円

4101円 以上

(A)×15%+785千円

7701円 以上

(A)×5%+1555千円

(2)公的年金等以外の雑所得

収入金額(A)

所得金額

原稿料や印税、講演料、貸金の利子、生命保険契約等に基づく年金など他のいずれの所得にも該当しない所得や恩給の総収入金額

(A)−必要経費

 

C 退職所得

収入金額(A)

控除額(B)

所得金額

退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与などの収入金額(社会保険制度等による一時金などで該当するものもあり)

勤続年数

20年以下

40万円 × 勤続年数

(80万円に満たない場合には、80万円)

(A)(B)

1/2

 

ただし、特定役員退職手当等に該当する場合は、(A)(B)

勤続年数

20年超

800万円 + 70万円×(勤続年数−20)

()障害者になったことに直接基因した退職の場合は、上記控除額に100万円を加算

そのほかにも、次のような所得があります。

・ 法人から受ける剰余金の配当などの「配当所得」

・ 土地や建物などの貸付けから生ずる「不動産所得」

・ ゴルフ会員権、機械、土地や建物などを譲渡したことによる「譲渡所得」

・ 山林(所有期間5年超)の伐採又は譲渡による「山林所得」

・ 生命保険の一時金、賞金や懸賞当せん金などの「一時所得」

・ 総合課税または申告分離課税の対象となる「利子所得」

/ポイント/

年末調整時は、見積額での算出となります。その後、確定額と見積額に差が発生した場合は、会社で再年末調整を行うか、従業員の方へ確定申告していただくようにお伝えしましょう。

配偶者控除額と配偶者特別控除額

■ 前述の「従業員」および「配偶者」の合計所得金額(見積額)より、「配偶者控除額」または「配偶者特別控除額」が決まります。

・ 控除額は、「給与所得者の配偶者特別控除等申告書」の「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」欄・「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額」欄・「控除額の計算」欄で算出します。

■ 具体的な控除額は次のとおりです。(以下リンクをクリックしてください。)

配偶者控除額と配偶者特別控除額のチャート(PDFファイル)

/ポイント/

「扶養控除等申告書」の「源泉控除対象配偶者」欄の記入内容も併せて確認しましょう。特に、配偶者の所得が38万円超~85万円(かつ、従業員の所得が900万円以下)のとき、改正前の制度では「控除対象配偶者」に該当しませんが、改正後は「源泉控除対象配偶者」に該当するため、注意が必要です。

 

 

 

給与計算の基本となる考え方などを取り上げてご紹介します。

給与計算に関する年期作業をまとめてみました

給与計算の最大の年期作業である年末調整が終わると、少しほっとします。しかし、新たな1年も始まります。このタイミングで、どの時期にどのような年期作業があるかを復習しておくことで、慌てず、漏れなく対応できるのではないでしょうか。

1

■ 【税務】「法定調書」の提出(期限:1月31日)

・ 前年12月の年末調整結果より作成した「給与所得の源泉徴収票」などの支払調書を、税務署へ提出します。

■ 【税務】「給与支払報告書」の提出(期限:1月31日)

・ 前年12月の年末調整結果より作成した「給与支払報告書」を、従業員の居住する各市区町村へ提出します。

■ 【税務】「扶養控除等申告書」の受理(期限:1月給与支払日の前日)

・ 従業員全員から当年分の「扶養控除等(異動)申告書」を受理し、扶養親族数など内容の確認を行います。

/ポイント/

提出する「源泉徴収票」や「給与支払報告書」には、従業員と扶養親族のマイナンバーを記載する必要があります。マイナンバーが未確認となっている対象者を早めに確認しましょう。

3

■ 【社会保険】健康保険料、介護保険料の料率変更(期限:給与計算日)

・ 毎年3月または4月に保険料率の見直しがあります。

■ 【全般】36協定の届出(4/1を起算日としている場合)(期限:有効期間の開始日まで)

・ 法定労働時間を超えた労働、休日労働をさせる場合は、労使間で書面による協定を締結し、労働基準監督署へ届出をします。

/ポイント/

社会保険料率が変更になる月の末日に退職される方については、退職月の保険料が新料率となります。退職月に2か月分を一括徴収する場合は、退職前月は旧料率、退職月は新料率で徴収しましょう。

4

■ 【全般】新入社員(新卒採用者)の入社手続
         (期限:給与計算日、ただし、社保や雇保は以下※参照)

・ 基本情報の給与システム等への登録、社会保険の資格取得手続き等を行います。

※ 「資格取得届」の提出期限は、次のとおりです。
健康保険・厚生年金保険・・・事由発生から5日以内
雇用保険       ・・・雇用した月の翌月10日まで

■ 【全般】給与改定、異動、昇進等による給与手当の変更(期限:給与計算日)

・ 資格や職位の変更があれば、給与システム等の登録データを変更します。

・ 所属異動となった従業員について、異動情報の登録、交通費の精算、住所変更や扶養家族の異動手続き、転勤旅費の精算等を行います。

■ 【労働保険】雇用保険の料率変更(期限:給与計算日)

・ 国会での法案可決により、保険料率の見直しがあります。

・ 変更後料率の給与反映は、賃金締日により決まります。
例えば、支払日が同じ425日でも、締日が331日のときは、変更前の料率、締日が430日のときは、変更後の料率となります。

■ 【労働保険】高年齢労働者となる従業員の雇用保険料免除(期限:給与計算日)

41日現在で64歳以上となる従業員は、雇用保険料が免除になるため、徴収しないように給与システム等へ登録します。

・ 法改正により、平成32年度からは免除制度が廃止となり、64歳以上の従業員も雇用保険料を徴収します。

/ポイント/

健康保険・厚生年金と雇用保険の資格取得届の提出期限は異なります。届出忘れの無いようにしましょう。

6

■ 【税務】住民税(特別徴収)の新年度税額反映(期限:給与計算日)

・ 住民税の徴収期間は、6月から翌年5月の1年間です。従業員それぞれの新年度税額を給与システム等へ登録し、各市町村から送付された「税額通知書」を従業員へ配布します。

・ 給与より天引きした住民税は、翌月10日までに納付します。

■ 【労働保険】労働保険料の年度更新(期限:710日)

・ 労働保険について、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を併せて申告・納付します。(年度更新)

・ 労働保険料は、年度当初に概算で申告・納付し、翌年度当初に確定申告の上、精算します。

■ 【社会保険】「賞与支払届」の提出(期限:夏季賞与支給日から5日以内)

・ 夏季賞与支給額から従業員の標準賞与額を決定するために、健康保険組合や年金事務所へ「賞与支払届」を提出します。

・ 年4回以上に渡って支給される賞与は、「標準賞与額」ではなく、「標準報酬月額」の対象になります。

/ポイント/

特に、「賞与支払届」の提出は、支給日から5日以内と短納期となっています。速やかに作業しましょう。

7

■ 【社会保険】定時決定のための「算定基礎届」提出(期限:710日)

46月の3か月間の報酬から従業員の標準報酬月額を決定(定時決定)するために、健康保険組合や年金事務所へ「算定基礎届」を提出します。
なお、4月に固定的賃金の変動があった従業員については「月額変更届」を提出します。

/ポイント/

「算定基礎届」の提出期限は710日です。遅れないように注意しましょう。

10

■ 【社会保険】定時決定による新標準報酬月額の反映(期限:給与計算日)

7月の定時決定で決定された新しい標準報酬月額を、9月分10月徴収の社会保険料から反映します。

11

■ 【税務】年末調整資料の従業員への配布および回収(期限:11月中)

・ 従業員へ年末調整の各申告書などを配布・回収し、内容の確認や、給与システム等へのデータ登録を行います。

/ポイント/

作業を効率的に行うために、従業員への適切な説明と、手続きや改正点についての担当者の正しい理解が重要です。

12

■ 【社会保険】「賞与支払届」の提出(期限:冬季賞与支給日から5日以内)

・ 冬季賞与支給額から従業員の標準賞与額を決定するために、健康保険組合や年金事務所へ「賞与支払届」を提出します。

・ 健康保険の標準賞与額の上限は、年間累計で573万円です。夏季賞与など同一年度内に支給した賞与も合計して、上限を判断します。

■ 【税務】年末調整(期限:給与計算日)

・ 確定した1年間の給与総額と、従業員より申告のあった各種控除内容により、1年間の所得税額を求め、月々源泉徴収した所得税との過不足を精算します。

・ 確定した所得総額や税額などを記載した「源泉徴収票」を作成し、従業員へ配布します。

/ポイント/

11月から12月は、年末調整と冬季賞与に関する業務が重なり、作業負荷が高くなります。事前に、作業内容の洗い出しと、スケジュールの策定を行い、漏れなく作業を進めましょう。

 

 

ご清覧いただきまして、ありがとうございます。

給与計算業務は、給与支給日に向けて、従業員の方の勤怠や、居所・手当などを給与計算処理に反映させる作業ですので、毎月ほぼ同じ作業を繰り返すことになります。入社2年目となり、ある程度、優先順位が分かるようになってきました。
お急ぎのご依頼はもちろん最優先ですが、それ以外では、給与計算を行う前に処理しなければいけないものに、特に気を付けています。
ところが、休み明けで作業が溜まっていたり、年期の行事があったりすると、急いでしなければならないことが複数発生し、その中の優先順位に迷うことがあります。
経験不足もありますが、年期行事が把握できていないことも、迷う理由の一つです。
これからは、まず、毎月と年期、両方の作業を正しく把握して、より的確な優先順位で、滞りなく作業ができるようになりたいと思います。(K/入社2年目)

ご希望の内容などございましたら、貴社の給与計算業務を受託しております弊社担当者まで是非お申し付けください。
なお、当記事は、201810月時点で公表されている制度内容等を基に作成しています。

 <編集担当:パーソネルサービス部 第二業務グループ>

 

本年89月に実施いたしました「パーソネルTopics」に関するアンケートに、ご回答いただきまして、誠にありがとうございました。
皆さまの貴重なご意見を、今後の「パーソネルTopics」へ早速取り入れさせていただきます。
今後とも一層のお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。