コベルコビジネスサポート パーソネルTopics20192月)

 

法令改正などから取り上げてご案内します。

20194月 労働時間法制が改正されます

昨年成立した「働き方改革関連法」により、20194月に、労働時間法制(労働基準法、労働安全衛生法、労働時間等設定改善法)が改正されます。どのような影響があるのか、確認しましょう。

20194月の改正は次の8項目です

■ 時間外労働の上限規制(ただし、中小企業は202041日適用)

11年あたり5日間の年次有給休暇の取得(義務)

■ 労働時間の客観的な把握(義務)

■ 月60時間超の残業割増賃金率が、中小企業も50%に(ただし、猶予措置廃止は202341日)

■ 「勤務間インターバル制度」の導入(努力義務)

■ 「フレックスタイム制」の拡充

■ 「高度プロフェッショナル制度」の新設

■ 産業医・産業保健機能の強化

時間外労働の上限が規制されます(上限を超える残業はできません)

■ 時間外労働の上限が法律で規定され、次のように改正されます。

 

現在

改正後

労働時間・休日に関する原則

法定労働時間 18時間、週40時間
法定休日   毎週少なくとも1

これを超えるには、36協定の締結・届出が必要

時間外労働
の上限(原則)

45時間、年360時間

45時間、年360時間

※法律では規制されておらず、行政指導のみ

※法律で上限を規制(罰則付き)

臨時的な特別な事情があって労使が合意する場合(特別条項)
の上限

上限なし

(特別条項で限度時間を定めなければならないが、法律ではその上限時間を具体的に定めていない。)

特別条項でも、

・ 年720時間(時間外労働)

・ 月100時間未満(時間外労働+休日労働)

2~6か月平均80時間以内(時間外労働+休日労働)

年間6か月まで

年間6か月まで

 

※法律で上限を規制(罰則付き)

時間外労働と休日労働の合計
の上限

なし

特別条項の有無に関わらず、

・ 月100時間未満(時間外労働+休日労働)

2~6か月平均80時間以内(時間外労働+休日労働)

 

(例えば、単月で「時間外労働44時間+休日労働56時間」は法律違反)

 

■ 適用が猶予または除外される事業や業務があります。また、中小企業については202041日から適用されます。

/ポイント/

36協定の内容や届出様式も改正されます。ただし、2019331日を含む期間(中小企業は2020331日を含む期間)については、改正前労基則様式となりますので注意しましょう。

年次有給休暇を「年5日」取得させなければなりません

■ 従業員ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日、会社が、取得時季を指定して取得させることが義務づけられました。(罰則付き)

・ 対象者は、年次有給休暇が10日以上付与される従業員(監理監督者や有期雇用労働者を含む)に限ります。

・ 法定の基準日だけでなく、入社日から付与する場合や、2年目以降に付与日を変える場合など、時季指定のしかたが各々定められています。

・ 既に、年次有給休暇を5日以上請求・取得している従業員については、時季指定する必要はありません。また、することもできません。

  時季指定の要・不要の例

従業員

会社

自ら5日取得

時季指定は不要

自ら3日取得+計画的付与2

時季指定は不要

自ら3日取得

2日を時季指定

計画的付与で2日取得

3日を時季指定

■ 時季指定の際、会社は、従業員の希望を踏まえるように努めなければなりません。

■ 会社には、「年次有給休暇管理簿」(時季、日数および基準日を従業員ごとに記載)の作成と、その管理簿を3年間保存することが求められます。また、時季指定の対象者の範囲や方法等を、就業規則に記載しなければなりません。

/ポイント/

漏れなく年休5日を取得するためには、従業員の方が、自身の状況を把握することも重要です。従業員の方へ、年休取得実績などを適宜お知らせしましょう。

すべての人の労働時間を客観的に把握することが求められます

■ 「裁量労働制適用者」や「管理監督者」を含めたすべての人の労働時間の状況を、客観的な方法その他適切な方法で把握することが義務づけられました。

■ 厚生労働省のガイドラインでは、会社が自ら現認し適正に記録すること、または、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録を基礎として確認し、適正に記録することを挙げています。

■ 残業が一定時間を超えた従業員から申出があった場合、会社は医師による面接指導を実施しなければなりません。客観的な把握により、長時間労働者に対する面接指導を確実にします。

/ポイント/

就業管理者や従業員の方に、「どのような時間が労働時間に該当するのか」など、労働時間の考え方を充分に理解いただくことも必要です。

中小企業も月60時間超の割増賃金率が50%になります(202341日)

■ 月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率について、202341日に、中小企業への猶予措置が廃止され、大企業、中小企業とも50%になります。

 

現在

改正後

60時間超の
時間外労働割増賃金率

大企業は  50
中小企業は 25

大企業、中小企業
ともに50

 

 

 

/ポイント/

賃金規程の改正、就業システムや給与システムの改修など、影響は大きくなります。猶予措置の廃止に向けて、事前に準備しましょう。

「勤務間インターバル制度」の導入で休息時間の確保を!

■ 「勤務間インターバル制度」とは、1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を確保する仕組みのことです。

休息時間を11時間確保する例

 

8

17

21

23

8

10

 

 

 

 

 

 

 

 

始業   終業

残業

休息時間(11時間)

始業

 

 

    ↑
  勤務終了

 

 

 

 

始業   終業

残業

休息時間(11時間)

始業

 

 

 

   ↑
  勤務終了

始業時刻を
後ろ倒しに

■ 翌日の始業時間が後ろ倒しになった場合、その日の始業時間は次のいずれかで取扱います。

・ 翌日の始業時刻から休息時間満了時刻までの時間を、労働とみなす。(始業時間を変えない。)

・ 翌日の始業時間を、休息時間満了時刻まで繰り下げる。(始業時間を変える。)

/ポイント/

始業時間を繰り下げた日の、終業時間・所定労働時間・時間外労働時間・賃金をどのように取扱うかも、併せて定める必要があります。

「フレックスタイム制」の清算期間延長と法定時間外労働

■ 「フレックスタイム制」の清算期間の上限について、現在の1か月以内から、3か月以内に延長できるようになりました。

労働時間

 

 

 

 

 

3か月の平均で法定労働時間以内であれば、割増賃金の支払が不要

 

所定労働時間に満たなくても、1か月目に働いた時間分で相殺できれば、欠勤扱いとならない

 

 

 

 

法定労働時間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1か月目

2か月目

3か月目

 

 

■ 清算期間「1か月を超え3か月以内」のときの法定時間外労働は、清算期間の終了時点だけでなく、1か月経過ごとにも確認が必要です。
(その1か月で法定時間外労働が発生すれば割増賃金も1か月経過毎に支払)

たとえば、清算期間を3か月とした場合、次の@(c)とA(f)の合計が、法定時間外労働となります。

@ 1か月経過ごと(各月)に確認し、
c)が発生すれば1か月経過ごとに割増賃金を支払

(a) その1か月の実労働時間数

(b) その1か月の歴日数÷7日×50時間

(その1か月が4/1~4/30であれば、
30
日÷7日×50時間)

(a)(b)

= その1か月の法定時間外労働時間(c

 

A 3か月終了時点 (総枠)に確認し、
f)が発生すれば、3か月終了時点で割増賃金を支払

(d) その3か月の総労働時間数

(e) その3か月の歴日数÷7日×週の法定労働時間

(その3か月が4/1~6/30で、
週の法定労働時間が40時間であれば、
30+31+30日)÷7日×40時間)

(d)(e)−「各月の(c)合計」

= その3か月の法定時間外労働時間(f

 

 

清算期間を「1か月を超え3か月以内」とする場合は、労使協定での定めと、所轄の労働基準監督署長への届出が必要です。

/ポイント/

清算期間1か月超のときの法定時間外労働は、計算や割増賃金の支払が煩雑です。制度導入にあたっては、どのように管理するか充分に検討しましょう。

「高度プロフェッショナル制度」とは?

■ 制度導入には、労使委員会での決議が必要です。

・ 労使委員会の決議は、対象業務や、本人同意手続き、健康管理時間の把握方法など、厚生労働省の指針に適合した内容にしなければなりません。

■ 対象者は、時間外・休日労働協定の締結や、時間外・休日・深夜の割増賃金の支払義務等の規程の適用除外となります。

・ ただし、健康管理時間を把握する措置を講じなければなりません。

■ 対象者は、高収入(年収1,075万円以上)の高度専門職のみです。

・ 対象業務は、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務、コンサルタントの業務、研究開発業務などが例示されています。

・ 対象業務でも、会社が、その従業員に、時間の裁量を失わせるような指示を行う場合は対象になりません。(出勤時間の指定など)

■ 対象者に対して、在社時間等に基づく次の健康確保措置が義務づけられます。

・ 年間104日以上、かつ、4週4日以上の休日確保

・ インターバル規制+深夜業の回数制限や、健康管理時間の上限設定など、定められた4つの措置のうち、いずれかの措置(労使委員会で決議)

・ 健康管理時間が1週間あたり40時間を超えた場合、その超えた時間が1か月あたり100時間を超えた従業員に対し、一律に医師よる面接指導を実施(罰則付き)

/ポイント/

指針では、日々および1か月あたりの健康管理時間を明らかにすることを求めています。高度プロフェッショナル制度対象者についても「労働時間を客観的に把握」することが必要です。

産業医の活動環境や、従業員に対する健康相談の体制整備のために

■ 従業員への適切な健康管理や、従業員が安心して健康相談などを受けられるようにするために、会社に次の対応が求められます。

・ 産業医への、長時間労働者の状況や従業員の業務状況などの情報提供

・ 事業場の労使や衛生委員会への、産業医から受けた勧告内容の報告

・ 産業医等が従業員からの健康相談に応じるための体制整備

・ 会社による従業員の健康情報の収集、保管、使用および適正な管理についての指針制定

/ポイント/

健康情報は「要配慮個人情報」に該当します。個人情報保護法に基づき適切に取り扱いましょう。

 

 

ご清覧いただきまして、ありがとうございます。

11月から12月かけて、給与計算業務の中でも一番大変な年末調整がありました。
入社して初めての年末調整作業で、最初はとても不安でした。
記入誤りがないか、提出書類の不足がないか、など、チェックしなければならないことが多いのですが、必ずダブルチェックをして、漏れが無いようにしました。
一番大変だと感じたのは、短期間に従業員の皆様から届く書類の量です。大量の書類に、どの作業をするにしても時間がかかってしまいました。そのため、特にチェックに気を付けなければならない重要な箇所を見極め、時間を無駄にしないよう心がけました。
来年も、同じ作業の繰り返しで流れ作業にならないよう、焦らずしっかり作業し、皆様に安心して委託頂けるよう努めたいと思います。(U/入社1年目)

ご希望の内容などございましたら、貴社の給与計算業務を受託しております弊社担当者まで是非お申し付けください。
なお、当記事は20191月時点で公表されている制度内容等を基に作成しています。

 <編集担当:パーソネルサービス部 第二業務グループ>