コベルコビジネスサポート パーソネルTopics20199月)

 

法令改正などから取り上げてご案内します。

2020年以後の所得税について大幅な改正があります

働き方の多様化を踏まえて、2020年分から所得税が変わります。特定の収入にのみ適用される給与所得控除・公的年金等控除の控除額が10万円引き下げられるとともに、どのような所得にでも適用される基礎控除が10万円引き上げられます。

給与所得控除が引き下げられます

   給与所得控除額が10万円引き下げられます。(見直し)

給与等の収入金額

給与所得控除額

改正後

改正前

1,625,000円以下

55万円

65万円

1,625,0011,800,000

収入金額×40%10万円

収入金額×40

1,800,0013,600,000

収入金額×308万円

収入金額×30
     +18万円

3,600,0016,600,000

収入金額×2044万円

収入金額×20
     +54万円

6,600,0018,500,000

収入金額×10110万円

収入金額×10
    +120万円

8,500,001
10,000,000

195万円

195万円+(収入金額−850万)×10

10,000,001円以上

210万円

220万円

■ 給与等の収入金額が850万円超で、次のいずれかに該当する場合は、「所得金額調整控除(新設)」が適用されます。(の部分)

@ 特別障害者に該当する人

A 年齢23歳未満の扶養家族がいる人

B 特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族がいる人

基礎控除額が引き上げられます

■ 基礎控除額が10万円引き上げられます。(見直し)

・ 合計所得金額が2,400万円を超える所得者は、その合計所得金額に応じて控除額が減少し、2,500万円を超える所得者は、基礎控除の適用はありません。

合計所得金額

基礎控除額

改正後

改正前

24,000,000円以下

48万円

38万円

(所得制限なし)

24,000,00124,500,000円   

32万円

24,500,00125,000,000

16万円

25,000,000円以上

 

 

 

扶養親族等の範囲も変わります

■ 扶養親族等の範囲となる合計所得金額が10万円引き上げられます。(上記改正に伴う見直し)

扶養親族等の範囲

合計所得金額

改正後

改正前

同一生計配偶者及び扶養親族

48万円以下

38万円以下

源泉控除対象配偶者

95万円以下

85万円以下

配偶者特別控除の対象となる配偶者

48万円超、133万円以下

38万円超、123万円以下

勤労学生

75万円以下

65万円以下

■ 家内労働者等の場合には、必要経費として65万円まで認められる特例がありますが、今回の改正により、給与所得控除と同様に、必要経費が55万円に引き下げられます。

・ 家内労働者とは、自宅を作業場として、一人または同居の親族とともに、物品の製造や加工などを受託し、その労働に対して工賃を受け取る人をいいます。また、外交員、集金人、電力量計の検針人なども含まれます。

申告書が新設されます

   年末調整の申告書が増えます。(新設)

申告書名

提出が必要な場合

給与所得者の基礎控除申告書

合計所得金額が2500万円以下の場合

所得金額調整控除申告書

「所得金額調整控除」の適用を受ける場合

(前述「給与所得控除が引き下げられます」でのの部分)

・ 国税庁のWebサイトに、新様式案が掲載されました。

「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除申告書 兼
所得金額控除申告書」(令和元年628日付)
http://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/pdf/03.pdf

/ポイント/

2019年の年末調整には影響しませんが、20201月の給与計算から、税額表が変更になります。システム変更などの対応が、漏れないようにしましょう。

 

 

 

法令改正などから取り上げてご案内します。

社会保険手続きの電子申請が義務化されます

現在、政府全体で行政手続にかかる時間を削減するため、電子申請の利用を進めています。2020年から、大法人の事業所は、社会保険・労働保険に関する手続きを、電子申請で行わなければなりません。

いつから、どのような会社が義務化されますか?

   大法人の事業所について、原則、紙媒体およびCDDVDによらず、電子申請が義務化されます。
大法人の事業所に代わって手続きを行う場合も同様です。

・ 大法人とは、資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人等です。

・ 大法人の事業所以外も、電子申請への移行を促されています。(義務ではありません。)

   20204月以降に開始される事業年度から適用されます。

どのように義務化されますか?

   電子申請とは、紙による申請や届出などの行政手続を、自宅や会社のパソコンを使って、インターネットで行えるようにするものです。

・ 電子申請には、e-Gov電子申請アプリケーションが必要です。

■ 義務化の対象となる申請や届出は次の通りです。

社会保険の種類

届出等の種類

厚生年金保険

被保険者賞与支払届 / 70歳以上被用者賞与支払届

被保険者報酬月額算定基礎届 / 70歳以上被用者算定基礎届

被保険者報酬月額変更届 / 70歳以上被用者月額変更届

健康保険

被保険者賞与支払届

被保険者報酬月額算定基礎届

被保険者報酬月額変更届

労働保険

労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書・石綿健康被害救済法一般拠出金申告書

雇用保険

雇用保険被保険者資格取得届

雇用保険被保険者資格喪失届

雇用保険被保険者転勤届

高年齢雇用継続給付支給申請

育児休業給付支給申請

    e-Gov電子申請には、次の3つの方法があります。

直接入力方式

e-Govの画面に申請情報を入力して、一件ずつ申請

連記式・CSVファイル添付方式

日本年金機構の届書作成プログラム(無料)で作成した届書ファイルをe-Govに添付して、複数人の対象者を一度に申請

API利用方式

外部事業者のソフトウェア(有料)を利用して、ソフトウェアから直接、複数件の手続きを一度に申請

 

 

/ポイント/

利用しているソフトウェアやサービスに沿って対応しましょう。たとえば、連記式・CSVファイル添付方式の時は、届書作成プログラムに定められたフォーマットの、テキストデータが必要です。

 

 

 

法令改正などから取り上げてご案内します。

5日の年休取得義務、こんなときどうなりますか?

20194月からの年5日の年休取得義務化、実際に運用が始まりましたが、いかがでしょうか。振り返りもかねて、今回、厚生労働省労働基準局のQ&Aから、いくつかご紹介します。

入社年と翌年で年休の付与日が異なるときは?

■ 入社年と翌年、それぞれの付与した日から1年以内に5日の年休を取得させなければなりません。ただし、管理しやすくするために、その取得させなければならない日数を期間按分することができます。

()入社日:2019/4/1
年休付与日:1年目2019/10/1
      2年目2020/4/1

 

2019/4/1

2019/10/1

2020/4/1

2020/9/30

2021/3/31

 

入社

→1年目10日付与

→2年目11日付与

 

 

 

 

⇐================⇒

 

 

 

 

@2019/10/12020/9/305取得

 

 

 

 

 

⇐==============⇒

 

 

 

 

A2020/4/12021/3/315取得

 

 

 

 

======⇒

 

 

 

 

 

@とAが重複

 

 

 

 

⇐========================⇒

 

 

 

2019/10/12021/3/3118か月で 7.5日 取得
(@とAを期間按分 → 18か月÷12×5日)

 

 

 

 

 

年休を法定の基準日より「前倒しで付与」したときは?

10日の全部を前倒し」で付与したときと、「10日の内、一部を前倒し」で付与したとき、それぞれ「時季指定義務」の基準日が異なります。

10日の全部を前倒しで付与

「年休10日の全部を前倒しで付与した日」から1年間で年休5日を取得させなければなりません。

()入社日:2019/4/1
年休付与日:1年目2019/4/110日全部付与)

 

2019/4/1

2019/10/1

2020/3/31

 

 

 

入社
→1年目10日付与

 

 

 

 

⇐===============⇒

 

 

 

 

2019/4/12020/3/315取得

 

 

 

 

前倒し付与時に「時季指定義務」発生

 

 

 

 

 

 

 

 

10日の内、一部を前倒しで付与

「年休付与日数が10日に到達した日」から1年間に年休5日を取得させなければなりません。(10日になった時点で、「時季指定義務」が発生)

()入社日:2019/4/1
年休付与日:1年目(前倒し)2019/4/1(5日付与)
      1年目    2019/7/1(5日付与)
      2年目    2020/4/1

 

2019/4/1

2019/7/1

2020/4/1

2020/6/30

2021/3/31

 

入社

1年目(前倒し)
5
日付与

1年目
5
日付与

2年目
11
日付与(
1)

 

 

 

 

⇐===============⇒

 

 

 

 

@2019/7/12020/6/305取得

(2)

 

 

 

付与日数合計が10日到達時に
「時季指定義務」発生

 

 

 

 

 

⇐=============⇒

 

 

 

 

A2020/4/12021/3/315日取得

 

 

 

 

======⇒

 

 

 

 

 

@とAが重複

 

 

 

 

⇐======================⇒

 

 

 

2019/7/12021/3/3121か月で9日取得(3)

(@とAを期間按分 → 21か月÷12×58.75

 

 

 

 

 

 

 

 

1 年休の一部を前倒しで付与した場合、2年目の年休付与日は、前倒しで付与した日から1年以内としなければなりません。
上記例の場合、2年目の付与日は、2019/4/1から1年以内になります。

2 前倒しで付与した間に、従業員自ら年休を取得していれば、その日数を、時季指定義務の5日から控除することができます。
上記例の場合、2019/4/12019/6/30に年休を2日取得していれば、
@2019/7/12020/6/30の時季指定義務日数は3日になります。

※3 @とAに重複期間があるため、取得しなければならない日数を期間按分することができます。

そのほかの「こんなとき」は?

■ 年度途中に育児休業から復帰しました。

(A) その場合でも、年5日の年休を取得させる必要があります。
ただし、残りの期間における労働日が5日よりも少なく、取得させることが不可能な場合、その限りではありません。

■ 従業員自ら、半日単位または時間単位で年休を取得しました。

(A) 半日単位で年休を取得した日数分は、0.5日として年5日の年休から控除できます。
ただし、時間単位で年休を取得した分は、控除することはできません。

■ 年度途中に契約社員から正社員に転換しました。

(A) 引き続き、契約社員時の基準日から1年以内に、5日取得させる必要があります。

※ 厚労省のQ&Aには、上記以外にも様々な事例が紹介されています。是非、ご確認ください。

「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html

 QA → 改正労働基準法に関するQ&A

/ポイント/

基準日が、入社日により人ごとに異なると、管理が煩雑になります。基準日を「年始」や「年度初め」に統一するのも、一つの方法です。

 

 

ご清覧いただきまして、ありがとうございます。

入社2年目になり、就業規則や処理の仕方をほぼ把握できましたが、細かい部分やいつもと違うパターンのときの処理など、まだ把握しきれてない部分があります。そのようなときは、就業規則を見返し、ノートにまとめて、気を付けるようにしています。就業内容のチェックに時間がかかったり、チェックミスをしたりしないように、しっかりと覚えたいと思います。(U/入社2年目)

ご希望の内容などございましたら、貴社の給与計算業務を受託しております弊社担当者まで是非お申し付けください。
なお、当記事は、20198月時点で公表されている制度内容等を基に作成しています。

 <編集担当:パーソネルサービス部 第二業務グループ>