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心の筋力を鍛えていますか?(講師 田井こころ)

■■■ KBP講師のお役立ちコラム(講師:月替)  ■■■
~KBP講師が人事担当者様・ビジネスパーソンの方々へ役立つヒントをお伝えします~
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変化の多いビジネス環境の中「心の筋力=レジリエンス」という言葉が注目されるようになりました。弊社でも逆境や困難に立ち向かうビジネスパーソンにとって重要かつ必要な能力と考え、研修に取り入れるようになりました。みなさまは、以下のようなご経験はないでしょうか?

・嫌な出来事を引きずり、ネガティブ感情から抜け出せない
・ショックの大きい出来事から立ち直れず、思い返すと心が苦しくなる
・逆境や困難を前に、挫折するのが怖くて挑戦することができない

いずれか一つでも当てはまったあなたは、レジリエンスを鍛えることで、このような状況から抜け出すことができるでしょう。

レジリエンスとは、逆境や困難に遭ったとき、その状況に負けない強さ、もし思い悩み苦しんだとしても、そこから「回復する力」のことを言います。

回復する力であるレジリエンスは、日常に起こるストレスから大きな困難な出来事、さまざまな場面で必要になります。誰しもがレジリエンスにより乗り越えた経験があるはずです。そのスキルを育て意識して使えるようになることにより、経験の幅が広がり、人生がさらに豊かなものになるでしょう。

今までの人生を振り返ると、私にもレジリエンスが必要な場面が多々ありました。中でも一番ショッキングであった出来事について、乗り越えるまでの過程を振返りましたのでご紹介します。

私は前職で語学学校のマネージャーを務めていました。その語学学校が経営破綻した時の出来事です。当時は連日ニュースで報道され、多くのスタッフが心身ともに疲弊し辞めていく中、心が揺れ動きながらも、私は最後まで残ると決め経営破綻の意思決定が下されるまで働きました。当時は本当に精神的にも肉体的にも辛く、退職した後も思い出す度にネガティブな感情でいっぱいだったことを思い出します。それが今となっては、「あの経験があったからこそ“今”がある。すべての経験は無駄にはならない」と自信をもって言うことができます。この考え方に至るまでに必要だった要素は3つあります。

1)見方を変えて、捉え方を変えること
2)心の支えとなるような人を見つけること
3)経験から学んで今後の人生に活かすこと

一つ目の「見方を変えて、捉え方を変えること」は、経営破綻後に出会った一人の行政書士の女性がきっかけです。「出来事にはプラスとマイナス面が必ずあるから、そこからプラス面を見つけることが人生には重要」と声をかけてもらったことが捉え方を変えるきっかけとなりました。それまで経営破綻の経験を“黒歴史”として捉えていたのですが、改めて見方を変えてみると社会のしくみ、人と人の信頼関係の重要性、ピンチになった時の人の心理、など学びがたくさんあることに気づきました。すると、お金では買えない貴重な経験をさせてもらえたと感謝の気持ちが湧き、前向きにこの経験を捉えることができるようになりました。

二つ目は、「心の支えとなるような人を見つけること」です。一人で思考を巡らせるだけでは、なかなかエネルギーが沸いてきません。当時の私も、気持ちに寄り添って話を聴いて心のサポートをしてくれる仲間、家族、友人がいたからこそ元気を取り戻せました。レジリエンスを育てるためには個人の成長以外にも心の支えとなる人=サポーターが必要です。サポーターの存在により安心感が芽生え、逆境に立ち向かうことができると言われています。

三つ目は、「経験から学んで今後の人生に活かすこと」です。経験したことから意味を見出し、自分の今後の行動や意思決定の方向性に役立てることです。私自身、経営破綻の経験から「会社も世の中もどのように変化するかわからないから、いつどんなことが起こってもいいように力をつけておこう!」という思考に変わりました。現在の研修講師という仕事にチャレンジしたことも今に繋がっています。

上記3つは、実は「レジリエンス」に欠かせない要素でもあります。日常から捉え方の思考トレーニングをしたり、普段から良好な人間関係を築いたり、経験から学ぶ習慣を身につけることは、レジリエンスを育てることに繋がります。

「心の筋力=レジリエンス」は、誰しも鍛えることができるものです。今回ご紹介した内容以外にも、レジリエンスを育てる要素がたくさんありますが、まずはご自身の日常でできることから習慣化してみてください。

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★コラムと関連する研修紹介
レジリエンスの鍛え方~ストレスとの向き合い方~

研修日程等詳細はコチラ↓↓↓
https://www.kobelco-hrd.com/coursedetailbiz2022.php?22023

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