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管理者のための「任せる技術」(ビジネス研修部 足立泰政)

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■■■ 1.KBP講師のお役立ちコラム(講師:月替)  ■■■
~KBP講師が人事担当者様・ビジネスパーソンの方々へ役立つヒントをお伝えします~
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第一線のマネジャーにとって、「任せる」ということは、古くて新しい問題です。

古典的な管理論において、A.ファヨールが1916年に著した「産業ならびに一般の管理」
という著作の中で、
「反復的に生じる問題の決定や処理は、…(中略)…部下に任せるべきである。」
とあります。
上司は、ルーティンの仕事はメンバーに任せ、自分自身は重要な問題や非定型の問題に
対しての意思決定にのみ重点をおくとされています。

1950年代になると、
MBO(Management By Objectives and Self-control,目標と自己統制による管理)
すなわち「目標によるマネジメント」という考え方が一世を風靡しました。
ここでは、
「メンバーに目標を納得させた上で達成までの活動をメンバー自身に任せる(自己統制)
ことが望ましい」
と言っています。先ほどの古典的な考え方より任せる範囲が一気に広がりました。

その後モチベーション論の流れの中で、E.L.デシ&R.フラストの「内発的動機づけ論」では、
「適切に任せることによって部下の『自己決定感』を高めること、任せた後は適切な進捗
管理を行う中、ポジティブなフィードバックによって『自己有能感』を与えることが重要で
ある」と述べています。
「任せる」ことがモチベーション・アップの手段となったとも言えるでしょう。

現在、多くの企業では、その使命と目指すもの、事業を取り巻く環境、そこで働く人の目的
や働き方、など多様な状況に直面しており、そこでは「自律自走」できる組織や社員が求め
られています。

このような場面で、先の考え方を踏まえたうえで、
1. 任せる相手の役割に応じて、範囲や権限を明確にしておく
2. 任せる仕事に対する目標の設定と達成までの過程に強く関わる
3. 彼・彼女たちが、自らを動機付けられるような任せ方をする
ことが、私たちがメンバーに「任せる」ポイントになります。

「任せる」という技術を使ってマネジメントすることが、第一線のマネジャーに、
今、求められています。

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