労働現場における設備や環境、作業方法の改善は、労働災害の減少に繋がりました。
しかし、一方で、数十年前のように労働災害が多発していた状況では、災害は決して他人事ではない深刻な出来事として認識していましたが、災害発生件数の減少に伴い災害に直面するという経験自体が稀なこととなり、それが労働者の危険に対する感受性の低下を助長しているということが指摘されています。
それに加えて、作業環境や設備の安全化の進展に伴い危険要因が潜伏化し、職場で働く人にとって、「何が危険なのか、どのようなことをすると危険なのかが分かりにくくなってきている」とお客様の声があります。
その安全衛生教育とは、新入社員・中途採用者・中堅社員・監督者前の各階層別にプログラム分けて、危険を具体的に示し、身近な危険を直感的に理解させるものであり、座学と実習における研修で、観念としてではなく、経験として安全衛生を学ぶことであり、それを通して作業現場における労働者の経験不足を補い、個人の安全意識の向上に寄与しようとするものです。
安全衛生教育の目的は、職場に存在する様々な危険を具体的に示し、「見て・聞いて・感じる」という人間の基本的な働きを通じて直感的な理解を促し、危険感受性を高めることにあります。
教室の中だけで、教科書を使って学ぶのではなく、経験・体験として学ぶ「現場実技教育」が、この中心的な柱となります。単なる知識としてではなく経験・体験を通じて学ぶことによって、経験不足を補い、安全意識の向上を図るとともに、安全技能の伝承にも効果を出し、監督者になった時、指導力を発揮すると期待されます。
受講者の想像力を刺激し自発的な「気づき」を促すことや、効果的で実践的な災害防止対策と安全職場へと導くための教育の必要性を、今一度見直してはいかがでしょうか?