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「太陽光発電の市場動向調査」

今日味新深(No.13:2010/7/1)

 当社では太陽光発電に関する市場・技術動向の調査を継続して行っております。

 2004年にドイツで始まったFeed-in Tariff(FIT)と呼ばれる電力の固定価格買取制度が欧州各地に広がり、ここ数年の市場の動きはめまぐるしいものがあります。
スペインではFIT導入により2008年初頭より太陽電池の需要が急拡大した後、同年9月の打ち切りにより急激に縮小したため(スペインバブルと呼ばれました)、2009年は在庫調整で太陽電池市場は停滞すると見られていました。しかしドイツ、日本、米国、イタリア等の市場拡大が寄与したため、太陽電池生産量は前年の7.9GWから56%増加して12.3GWに達しました。

2009年のトピックスは,CdTe系薄膜太陽電池製造メーカーのFirst Solar社(米)が,約1GWを生産し、太陽電池生産量でトップになったことです。同社のCdTe系薄膜太陽電池は、製造コストが$1/W以下と低コストの太陽電池ですが、人体に有害なCdを原料としている課題があるために、25年後に全量回収してリサイクルするビジネスモデルとすることで、欧米での大規模太陽光発電所向けに採用されました。Cd公害で苦い経験のある日本や台湾では受け入れられていませんが、他の太陽電池の価格全体がCdTe系薄膜太陽電池に引きずられて低下する傾向にあります。

日本でも、政府による高いCO2削減目標が掲げられ、2009年11月には日本版FITが導入され市場も活性化してきましたので、国内の今後の動向が注目されます。

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