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中国の書店での工学系書籍の状況

今日味新深(No.17:2010/9/15)

 調査業務において、調査対象の全体像を把握する上で書籍の利用も一つの重要な手段となります。最近、中国関係の調査が増えており、中国出張時に大型書店を覗いて関連する情報を探すということも実施する場合があります。

 書店は、その国の経済状況、産業状況を映す側面があると感じています。例えば、中国で機械エネルギー系の本を探すと、日本ではあまり多くないボイラ関係の本が多く、日本では多い流体関係の本がほとんど見あたりません。中国では冶金関係の本や機械・金属製造プロセスに関する本が多いことも目立ちます。例えば、溶接だけで5段の本棚が3本もあります。

本の内容については、立ち読みでレベルの高低を判別することはできませんが、中国では実用化を強く意識した本が多く、サイエンスとしての側面は弱い本が多いというのが、今回私が覗いた範囲での一般論です。

中国の北京の西単にある大型書店(北京図書大厦)と八重洲のブックセンターで、どの分野の本がどの程度の棚数を占めているのか、少し調べてみました。日中で書棚の分類は異なっていて、今回の中国の書店では、日本での学術的な分類の物理、化学、生物のような棚が見あたりません。

日中での書店の位置づけ(誰が買いに来るか)が違っている可能性もあるので、あまり両者を比較すること意味がないかもしれません。しかし、日本では時代の変遷と共に、書籍の形としてではなく企業内で保有している知識が、中国では多くの出版物として発行されている印象を持ちました。

出版物を通して中国でも工学的な技術情報が蓄積されて行くように思います。日本の技術競争力を客観的に眺めてみる観点でも、中国の大型書店で自分の専門領域の本を眺めることは意義があるように思います。

単位:本(1段80cm程度の幅で5段程度の書棚)
分類
北京図書大厦
八重洲ブックセンター
金属系
14
1.5
材料力学、金属加工
15
3 (ものづくり別途2本)
機械、エネルギー系

31

11
電気系
17
4
電子材料、光材料、ナノテクノロジー
20 (材料基礎少ない)
14 (理学系含む)
化学、化学工学
23 (化学工学が殆ど)
21 (通信、情報多い)
制御・計測・情報・ロボット
22 (機械加工制御多い)
21 (通信、情報多い)
自動車・航空機関連
20
4
環境
16
10
規格類
21
4

 

北京図書大厦では、面積を広くとっている分、棚の中に同じ本が3~4冊あるケースが多く、書棚の数の差ほどには本の種類が多いわけではありません。その他の分野では、土木・建築、コンピュータ関連に日本、中国共に多くの書棚が当てられています。

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