今日味新深(No.45:2012/3/5)
当社は2011年9月26日に中国湖南省長沙市で開催された、日本国環境省と中国国家改革発展委員会の主催による「日中土壌重金属汚染対策セミナー」の開催支援業務を行いました。
具体的には、セミナーの開催にあたってのプログラム案の作成や中国側との調整、講演者との連絡をはじめ、資料の印刷や会場準備、当日のセミナー進行事務など全般にわたる支援業務を行ったものです。当社は2009年度、2010年度にも窒素・りんの水質総量削減に係る日中共同研究プロジェクトに事務局として参画していますが、それに続く日中政府間協力の関連業務となりました。
中国では1980年代の改革開放以来、概ね年率10%ペースの高度成長が続いていますが、一方で日本が1970年代に経験したような高度成長の歪みが現れてきているようにも見受けられます。
環境・公害問題への対応で言えば、日本は1970年に公害関連14法案を成立させるなど、この時期に急速に法制度整備や環境関連技術の開発および応用が進んだ経緯がありますが、中国でも第11次五ヵ年計画(2006-2010)で二酸化硫黄とCOD(化学的酸素要求量)の全国規模の総量10%削減を必達目標とし、2008年には水汚染防止法を大改正するなど取り組みが強化されてきています。2011年からの第12次五ヵ年計画(2011-2015)では、さらに土壌汚染対策を強力に展開する計画が打ち出されています。
今回の日中土壌重金属汚染対策セミナーの特色は、日本側からの具体的な技術についての発表に力点があったことです。日本からは政府関係者のみならず、土壌修復や環境計測・評価に関連する企業7社が参加し自社技術や適用事例、事業展開などの発表を行いました。また、中国側からも企業3社から同様の発表がありました。
セミナーに対する中国側の関心は高く、地元の湖南省をはじめ中国全土から担当する地方政府の関係者や関連中国企業関係者など約80名が参加し、熱心に聴講する姿が見られました。
中国がGDPで日本を抜いた今日、環境分野においてもビジネスベースでの日本企業の中国展開という視点が重要になってきています。
当社はこのようなセミナー開催支援業務などを通じて、中国の最新の土壌汚染の実態や対策計画、投入予定資金などの関連情報の収集、蓄積を行っています。こうした業務を通じて、情報収集や調査キャパシティーの拡大を図り、日本企業の中国展開にも貢献していきたいと考えています。