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ISOコンサルの現場から

今日味新深(No.23:2011/01/05)

 一年半をかけてISO9001品質マネジメントシステム(QMS)の認証を取得し、さらに1年半かけて定着化を図り、その後1年の活動によりISO14001環境マネジメントシステム(EMS)を取得した会社が有ります。ここでの経験をご紹介します。

コンサル開始時は
Q:「ISOはこのように行えば取得できるという方法はないですか?」
A:「有りません。百社あったら、百社のやり方があります。」
のやり取りから始まりました。

この会社の従業員は250人位で、いわゆるオーナー企業の色合いの強いところでした。そこで従業員の自主性を発揮しやすいように、ISOの認証取得活動の運営は社長から管理責任者に任命された取締役へ全権を預けて頂き、その人の方針のもとに活動を開始しました。

この時のISO9001等の要求事項では、品質マニュアル及び20種類位の特定の手順書の作成が必須でした。それらの文書作成過程では、知識は豊富でもパソコン操作の不得手なベテラン社員と業務の中身までは熟知するに至っていない若手や中堅社員でペアを作って頂き、協力し合って業務及び作業内容を文書に書き残して頂くように指導しました。

当初、若手や中堅社員のISO認証取得活動への受け止め方は、「適当に付き合っておこうか。」というようなものでしたが、文書の添削・校正及び内容の質疑・応答をくり返し行ってゆく内に、ISOとは業務を実行する関係者のそれぞれの責任・権限を明確にし、若手や中堅社員のすべきこと、部長及び経営者層のすべきこと、さらに発言すべきこと、記録として残すべきもの等々の区別が明確になり、「自分達」が幹部になった時に「効率的に業務が出来る仕組み」であると感じ始めたようでした。

それからは活動の進捗が早まるとともに会議内で発言をする者が増え、コンサル当初から比較すると、驚くほど前向きな姿勢に変わり、認証取得審査が間近に迫って来た頃には目をキラキラさせて、挨拶も「お早うございます」、とか「こんにちは」と大きな声でしてくれるようになりました。

その後のQMSの定着、EMSの取得活動は若手や中堅社員を中心にした活動形態を採用し、見事認証を取得され、現在に至っております。業績に関しても、2008年度からの3年間、売上・経常利益とも順調に伸ばされているようです。

このように認証取得のみならず、この活動を一緒に行った喜びをお互いに感じることができました。まだISOに取り組まれていない会社の責任者の方々も、是非ともISOに取り組み、この感動を味わって頂きたいと思います。

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